歯を抜くか、抜かずに矯正するか
矯正を行う際、すきっ歯のケースを除くほとんどの場合、
歯を抜くか、歯を抜かずに矯正をするかという選択肢があります。
このことを考えるに当たり、矯正の基本的な考え方をご説明します。
矯正をする場合、それが八重歯のケース、出っ歯のケースでも、きれいな歯並びにするためには歯を奥に移動させないといけません。
ところが元々、歯が入るスペースが無いために歯並びが悪くなっていますので、そのままでは奥に移動させることはできません。
そこで歯を移動させるためのスペースを作る必要があります。 1本の歯の幅は7~9ミリありますので、1本の歯を奥に移動させるためには同じく7~9ミリのスペースが必要となります。
ではどうやってスペースをつくるかですが、その方法として
①見た目、機能上あまり重要でない歯を抜くことでスペースを作る
この場合、前から4番目の小臼歯と呼ばれる歯を抜くことが多いです。
②歯並びを全体的に横に広げることでスペースを作る
簡単に言えば、歯の生えている骨を広げることで、歯の生える場所を広げてやるということです。(この際、顔が広がるといったことは起こりません。)
③奥歯を奥に移動させることでスペースを作る。
奥歯が今の位置よりも奥に移動すればそこにスペースができます。
④歯を削って細くすることで隙間を作る
個人差がありますが、歯の表面は0.3~0.5ミリ程度なら削っても医学的に問題がないとされています、一つの歯をの両面を0.5ミリずつ削ると歯は1ミリ細くなります。結果として1ミリのスペースができます。
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ほかにもスペースを作る方法があるのですが、一般的なのはこの①~④となります。
この中で一番確実にスペースができるのが①の抜歯するということになります。
なので歯並びが非常に悪い方の場合は、抜歯を選択するケースが多かったのも事実です。
しかし、歯を抜くとさまざまなデメリットもあります。 それについては別の機会にてご説明しますが、
では歯を抜かずにスペースを作るとなると残りの②③④を行うことで矯正をすることになります。
みなさんは歯を抜かずに済むならその方が良いと思われるかもしれませんが、非抜歯矯正にもデメリットがあります。
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抜歯では歯列を小さくするので、治療後は口元が引っ込んで綺麗になりますが、非抜歯は歯列を大きくして並べますので、治療後は今よりやや口元が出る場合があります
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矯正治療における抜歯基準とは、矯正治療のゴールをどこに設定しているか(矯正治療の価値をどこにおいているか)によります。明らかに抜かないで出来るケースも多数ありますが、場合によっては抜かなければならないケースもあります。患者さんの歯列の状態にあった最適な治療計画をご提案いたしますのでよくご検討ください。
詳しくは来院された方にはお伝えしていますので、どの方法がもっとも自分にあっているか検討してみてください。
マウスピース矯正はもともとは非抜歯矯正用に開発されたものですので、抜歯矯正、非抜歯矯正どちらにも対応可能です。
投稿日:2011年10月23日 カテゴリー:院長ブログ