マウスピース矯正について 懸念
こんにちは。
すまいる総合歯科クリニック院長 渡辺政継です。
この2.3年でマウスピース矯正が国内でも広く認知されるようになってきています
それとともに、マウスピース矯正の失敗といったことも報告されるようになって来ています。
マウスピース矯正を失敗する原因として
①マウスピース矯正のシステム上の問題
②マウスピース矯正に対する患者さんの取り組み方
③マウスピース矯正を施術する歯科医師の技術不足
が挙げられます。
それぞれについて簡単に説明させていただきます
1.マウスピース矯正のシステム上の問題
マウスピース矯正はワイヤー矯正とは力学上の考え方が大きく異なります。
そのため、ワイヤー矯正が得意としている歯並び、マウスピース矯正が得意としている歯並びが異なります。
マウスピース矯正が不得意な歯並びでは予想以上の時間が掛かりますので、マウスピースに補助装置を併用して治療を行う必要が出てきます。
2.マウスピース矯正に対する患者さんの取り組み方
実はすまいる総合歯科でもこの理由による矯正の失敗があります。
すまいる総合歯科で扱っているマウスピース矯正は3つのシステムがあります。それぞれ対応できる症例が異なり、またそれぞれのシステムにより
マウスピース装着時間が異なります。12時間でよいものもあれば、20時間以上装着しないといけないものもあります。
つまりは最短でも12時間以上は装着しないと矯正の効果が現れません。とくに当院で最も症例数の多いインビザラインシステムでは1日20時間の装着が必要となります。
当院でマウスピース矯正を相談された方には必ず、最初にこの事を確認いたします。
が、どうしても矯正治療は期間が掛かるため、だんだんとモチベーションが下がってきて装着してくれなくなる患者さんがいらっしゃいます。
そうなると予定していた歯の動きができなくなり、マウスピースでは矯正ができないという事になります。
そのような場合は、表側、もしくは裏側のワイヤー矯正で治療していく事になります。
3.マウスピース矯正を施術する歯科医師の技術不足
マウスピース矯正の代表格であるインビザラインは世界で400万人以上の治療を行っています。
が、マウスピース矯正全体ではワイヤー矯正と比較すると、国内での症例数は多くありません。
そのため、歯科医師によってマウスピース矯正の技術に大きな隔たりがあります。
また、マウスピース矯正はマウスピースを交換するだけの簡単なものと考えられているのか、矯正の経験がほとんどない歯科医師もマウスピース矯正を行い始めている状況です。
その場合、もし1~3のような理由でマウスピース矯正が上手くいかなかった場合、どのようにリカバー(修正、治す)するのでしょうか?
考えていないケースもあるようです。
今はまだ、マウスピース矯正の失敗が表面化していませんが、かつてのインプラント問題のように今後数年のうちに問題化してくることが懸念されます。
最後に
私はマウスピース矯正を国際水準のものとするために、毎月、勉強会に出かけています。そしてそこで出会った多くの師のおかげで、勉強できる場を頂いています。
ニューヨーク、ドイツ、韓国、ドバイなど国外などの研修にも参加して研鑽を積んできました。
国内のトップクラスの先生方にはまだまだ及びませんが、よりよい治療を提供できるような体制をすまいる総合歯科クリニックでは準備しています
他院ではマウスピースでは矯正が難しいと診断された方はご相談ください。
近年では他院で行ったマウスピース矯正が思わしくない場合の修正治療も行っています。
今後ともよろしくお願いいたします。 すまいる総合歯科 渡辺政継
投稿日:2017年10月7日 カテゴリー:院長ブログ